前ボケ・後ボケ
花の写真を撮るようになり、最近、他の方々が撮る花の写真が気になり始めました。美しい花の写真を見ると、霞の中から花が一輪スーッと浮かび上がるような写真があります。そんな写真を撮りたいと思いますが、私が撮る写真は、背景はボケますが、霞の中から浮かび上がるような花の写真にはどうしてもなりません。色々調べているうちに、「ボケ」には、「前ボケ」「後ボケ」というものがあることに気づきました。
背景をぼけさせるためには、カメラの「絞り」を調節します。絞りというのは、カメラに入ってくる光の量を調節する装置で、沢山の光を入れるためには、絞りを開きます。少しの光でよい時には、光量を絞り、小さな穴から光を入れます。ところが、絞りを調節すると、ピントの合い方が変わってきます。絞りを開くとピントの合う前後の範囲が狭くなり、背景がぼけます。光量を絞ると近くから遠くまでピントが合います。ですから、背景をぼけさせるためには、絞りを開けばよいのです。
一眼レフのカメラを持っておられる方は、絞り優先オートというモードで、「F」の値をできるだけ小さく設定してシャッターを押すだけです。ところが、これでは、背景はボケますが、霞の中から浮かび上がるような花の写真にはなりません。
実は、もう一つ、「前ボケ」という効果を使っているらしいのです。「前ボケ」を簡単に言うと「障害物」です。撮りたい花の手前に、葉っぱや、枝や、他の花など、障害物があると、その障害物をどけて写真を撮りたくなります。でも、「前ボケ」というのは、その障害物を利用して写真を撮る方法なのです。障害物の隙間から、目的とする花の写真を撮ってみると、あら不思議、障害物が、その花を引き立てる霞のように変わるのです。
新しい世界に目が開かれたような気がしました。そういえば、イエス様も、「自分の敵を愛し、自分を迫害する者のために祈りなさい。(マタイ5:44)」と言っておられました。